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月影に揺れる唇

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No.009
「月影に揺れる唇」
〜セナとナンヨウブダイの物語〜
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夜の海。月の光が静かに波間を照らし、銀色の道を作っていた。セナは、その光の下でひとり静かに漂っていた。

そんな時、ふと水の揺らぎの中に、小さな影が見えた。

「……誰？」

セナが目を向けると、そこには大きなぷっくり唇のナンヨウブダイがいた。月の光を受けて、彼の青い体がぼんやりと輝いている。

「セナ……僕の唇、変じゃない？」

彼は月明かりを浴びた自分の影を見つめながら、ぽつりと呟いた。

「みんなに『ぷっくりしすぎ』って笑われるんだ。どうして僕だけ、こんな唇なんだろうって……。」

セナは何も言わず、ただ静かに彼を見つめていました。夜の海は深く、静かで、全てを包み込むようだった。

やがて、セナはそっと手を水面にかざし、小さな波を作りました。

「見て。」

月の光が波に反射し、ゆらゆらと銀色の模様を描く。

「月の光も、波に映るたびに形を変える。でも、それぞれに美しい。」

ナンヨウブダイはじっとその波を見つめた。

「唇も同じ。あなたの唇は、優しい形をしているわ。笑うときも、驚くときも、誰かを励ますときも……その唇があるから、あなたの表情は豊かなのよ。」

「……僕の唇が、優しい形？」

「そうよ。」

セナの声は静かだったが、まるで月光のように、ナンヨウブダイの心にそっと染み込んでいった。

ナンヨウブダイはしばらく考え込み、それからゆっくりと笑った。

「……そっか！そういう見方もあるんだね！」

彼の唇がやわらかく弧を描く。

セナは微かに頷くと、再び波に手をかざした。月の光が揺れ、銀色の波紋が広がる。

「自分を嫌うのは簡単。でも、それを受け入れられたとき、世界は少し違って見えるのよ。」

夜の海には、静かで穏やかな時間が流れていた。

そして、ナンヨウブダイの心には、月影に揺れる銀の波紋のように、セナの言葉が優しく残ったのでした。

— おわり —

★真珠種類 : 白蝶真珠
　サイズ : 10.94×15.17（ミリ）
　カラー : クリーム、ホワイト

★レア度 : ☆☆☆☆

♬ 世界に一つの真珠に、世界に一つの物語 ♬
『 No.009 』は、唇の様な形をしたクリーム色とホワイト色に分かれているのが特徴的な白蝶真珠。
セナの物語です✨

○にんぎょのいたずらシリーズを詳しく知りたい方は、トップページ『ココをclick！』から見れます。
○真珠一粒の料金となっています。
（ ✖️チェーンは付属していません。）
○ネックレスチェーンも一緒にご購入希望の方はオプションから選択をお願いします。

☘️伝えたい大切な事☘️

　真珠は大自然の中で育ち、貝殻から出るその瞬間まで、じっと待ちます。長い年月の困難に貝殻の中で耐え凌ぎ、一粒の真珠としての成長を終えます。
そうして誕生した真珠は一つ一つ個性があり、その個性は色や形、成長キズやエクボとして現れ、真珠の価値は個性の表現具合によって決まります。
商品撮影は実物に近い状態を、表現できるように努めていますが、
カメラで捉えられていない個性が、手元に届いた時にある場合も御座いますので、
ご理解いただける方のご購入をお願いしております。

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